第6章 城内散歩
夜中はとても涼しい
湯浴みの後にくるのは丁度いい
『明日は、秀吉さんと稽古だ。
身を引き締めなければ。』
歩いていると、湯浴みから上がった信長の姿がみえた。
声をかけようか迷い、距離を置いて歩いていると
信長『おい、いつまで黙って背後にいるつもりだ。
童は声もかけれるのか』
くるりと後ろを向き、僕を見た
『やはり信長様でしたか、往く方向が同じなだけ。
邪魔をしてはいけぬと思いまして』
あえて、僕が信長だとわかっていたことは言わない。
どうせバレているだろう
信長『ほぉ、そうか。
暇ならば、俺と散歩へ行かぬか?』
『城内をですか?』
信長『そうだ、貴様の知らぬところも教えてやろう』
『それは楽しみです。
僕の知らないところ、知りたいです』
そうして、僕は信長と城内を
散歩することになった。