第2章 〜始まりの出会い〜
『何で後ずさるんですか……。』
政宗『っ、お前がいきなり変なものを
俺の頭にやろうとするからだろ。』
『あぁ、失礼しました。
とても不思議そうにしていたのでつい。』
信長『ふむ、どうやら小童が話しているのは本当らしいな。』
『!?
信じてくださるのですか?』
信長『見せられれば信じない他ない。
それに、俺は貴様が気に入った。』
扇子を持ち、ニヤリとした。
隣にいる秀吉は、顔を強ばらせたまま。
秀吉『……、本当によろしいのですか。』
信長『あぁ、小童の名は朝日と言ったな?』
『はい。そうです。』
信長『どうせ行く当てもない。
この安土で暮らせ。』
『……は?』
今、何て言った?
ここで暮らせって、聞こえたな。
秀吉『おい、聞いているのか?』
『あ、はい。
聞いています。本当にいいんですか?』
信長『よい、好きに暮らせ』
『わかりました。』
再度、正座をして気持ちを入れ替え
僕は信長に申した。
『此の度は、500年先の未来から来た僕を、この安土で住まわせて頂くことの許可を下さり、感謝申し上げます。』
深く、頭を下げてから顔を上げ
信長をみた。
信長『ほぉ、ちゃんと礼もできるか。』
政宗『では、俺が朝日を部屋まで送ります』
信長『よい。下がれ。』
『失礼しました。』
緊張した〜!政宗があぁ言ってくれてよかった!
あ、自分が女子って言ってないや。
いつかバレるし、いっか!
政宗『朝日、よく頑張ったな。
後で朝餉、持って行ってやるよ』
『本当ですか?
ありがとうございます!』
初めて、こいつが笑顔をみせた。
早く部屋に送って、朝餉を届けてやるか。