第3章 想い 【*R18表記あり注意*】
「……いろは屋の主人は知っている。それだけだ。」
「ふふふっ……そうですか」
含み笑いをしなから、女が俺の手に身体をすり寄せる。俺の手の中で、女の身体の一部が形を変える。
この女とは、もう終わりだな。
執着を見せはじめた女は厄介だ。
ただ欲を吐き出せれば、誰でもよかった。静かに酒を飲ませ、俺に興味を持たず、執着しない女なら……。
この女は、そうした扱いが上手かったが……通いすぎたか。
俺がそんなことを思っているとも知らず、女は瞳を潤ませ、俺を見る。
「旦那、もう一度……いいでしょ」
そう言いながら、もう一方の手が俺の下の方へと伸びる。
「抱いてくれたら、女絵師さんのもっと面白いこと教えてあげますよぅ」
試すように俺に囁き、下に伸びた手が探すように動きだす。
「そんなことはどうでもいいが、誘うならその気にさせてみろ」
その答えが気に入ったのか、女はにやりと笑うと俺から身体を離し、下の方で探しだしたモノを両手で包む。
「わかりましたよ………ふふふっ」
嬉しそうに笑い、股の間に顔をうずめ、手の中のモノにゆっくりと舌を這わせる。
俺は杯を持ち、また酒を呑む。
静かに酒を呑む俺の下で、女が静かに動き出す。