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イケメン戦国 ー とおまわり ー

第3章 想い 【*R18表記あり注意*】


日常に戻る前に、己の中の黒い欲を吐き出しきりたかった。以前であれば、こんな風に女を抱くことも日常の1つだったが、今の日常からは少し離れている。



ことねの存在が在るからだろうか。あいつをかまうことで、不思議と俺の心は満たされる。触れれば、黒い欲よりも、安堵の思いが沸き上がる。今はまだ、後戻りできるほどの淡い想い。御館様の存在が、俺を踏みとどまらせているのか。ことねの笑顔を奪わぬように。



ぼんやりと、そんなことを思い酒を呑む。



なのに、眼を閉じると浮かんでくるのは、ひいろの眼。強く、挑むようなあの瞳が俺を見る。
なにも告げずに離れたことが、これほどまでに尾を引くとは思ってもいなかった。たかだか20日位のことなのに、ひいろのあの眼が離れない。







「あら、いろは屋さんの女絵師さん」






杯を口に運ぼうとした時、通りの喧騒と共に、煙を吐き出した女の声が耳に入る。





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