• テキストサイズ

イケメン戦国 ー とおまわり ー

第24章 願い2




「光秀さんもお疲れですよね。お布団使って下さい」


何を勘違いしたのか、起き上がろとうとすることねを布団へと押し戻し、頭を軽く撫でると少し驚いたように眼を丸くした。


「ひいろは目を覚ます。お前のせいじゃない」


ゆっくりと、あやすように頭を撫でながらそう伝えると、ことねの眼は更に大きくなる。


「…で、でも、私のせいで…ひいろちゃんは!」

「勘違いするな、お前のせいではない。拐かした奴等のせいだ」

「だけど…」

「お前を守ったひいろの思いを汲んでやれ。お前が自身を責めていたら、ひいろは何と思う?」


ことねの眼が潤む。下唇を噛み、布団を握る指に力がこもる。溢れ出しそうなものを必死にのみ込もうとしているのだろう。
撫でていた手を止めると、ことねは眼を閉じて大きく息を吸い、僅かな間をおくとゆっくりと吐き出した。心が決まったのか、指先の力も抜けていた。


「ことね」

「…うん、大丈夫。ありがとう、光秀さん」

「あぁ」

「はやくね、ひいろちゃんに会いたい」

「そうか」

「ちゃんと、ありがとう…って伝えたい」

「そうだな」

「それとね」

「なんだ?」

「光秀さんは、やっぱり優しいって教えてあげたい」

「そうか」

「ふふっ…あったかくて、優しい人だよって」

「そうか」

「ふふふっ、照れてる」

「お前がどう思うかは自由だ」

「本当のことだもん」

「物好きだな」

「私が思うのは、自由なんですよね?」

「あぁ、そうだな」


ふにゃりと笑う顔は、いつものことねに見えた。

/ 382ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp