第11章 揺れる
「ああして、信長様は、心を許されたような顔をされる」
隣にいた秀吉がぽつりと呟く。
「妬けるな、秀吉」
「あぁ……って、おい! 俺は真面目に……」
「真面目に……なんだ?」
「いや、まぁ、そう言うことかもな。俺は信長様の全てを知り、全てを支えて行けるようになりたい」
「全てをか……相変わらず、随分な惚れ込みようだな」
「それほどの方なのだよ……俺にとって、信長様は」
「そうだな。あの方の描く世を、俺も見てみたい」
「もちろんだ!」
そう言うと、秀吉がまっすぐに俺を見る。なんの迷いもない、気持ち良いほどに潔く真っ直ぐな思いが俺に突き刺さる。