第1章 はじまり
ことね がいなかった頃が、どうであったかなど忘れてしまうほど、ことね は城の生活に溶け込み、皆の心に住み着いた。そして、無自覚のまま魅了した。
そうでもなければ、昼間から武将どもが揃いも揃って、菓子を食べながら茶をすするなど、考えられぬ事だった。それほどに、ことね は大きな存在となっていた。
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政宗 「そういえば、さっきのはなんだ?光秀。」
光秀 「覚えていたか。」
秀吉 「確かに気になるな。御館様と一緒に何かするのか?」
御館様は、面白いことでもはじまるかのように俺に視線をむけ、秀吉は訝しげに、政宗は興味深そうに俺を見た。
家康、三成、ことね も俺に視線をむける。それぞれの視線を受け、俺は口を開く。
光秀 「その絵を描いたひいろがな、男の絵を描きたいそうだ。」
政宗 「それで?」
光秀 「俺の絵を描くそうだ。」
秀吉・政宗・家康「「「…………………!!」」」
ことね 「きっと光秀さんのことも、素敵に描いてくれるんだろうね。」
三成 「そうですね。私もぜひ、光秀様の絵を見せて頂きたいです。」