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イケメン戦国 ー とおまわり ー

第8章 触れる



「失礼します」


そう声がして、ひいろの両手が胸に触れる。指先を先におき、ゆっくりと手の平をつける。胸の突起に触れると、一瞬躊躇したように動きが止まるが、すぐにまた動き出す。指の腹で確めるように突起部分を撫で、そまま全体に触れていく。

ひいろの体温が素肌に伝わり、身体の芯が熱くなる。俺は今、どんな顔でひいろのことを見ているのだろう。自分で、自分のことが分からなくなる。ただ一つはっきりしているのは、ひいろの肌を欲する思いが強くなっているということ。

俺の胸を這っていたひいろの指が、徐々に腹の方へおりてくる。ぞわぞわした感覚が下半身へ集中してくる。思いが強くなり、ひいろの肌に触れたくて手を伸ばすが、俺の指先がひいろの頬に触れる寸前、ひいろの動きが止まる。


「光秀様」


目隠しの下の眼で、ひいろが真っ直ぐに俺を見る。


「……なんだ」


見透かされているような気がして、一瞬息を飲む。


「お顔に触れても、いいですか………?」

「顔、か?」

「はい……お嫌ですか?」


軽く小首をかしげる仕草があどけなく、触れようとしていた手を自分の膝へと戻す。


「いや、お前が望むなら構わない。好きにしろ」

「ありがとうございます」


にっこりと微笑むとひいろは、俺の頬を両手で優しく包んだ。



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