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イケメン戦国 ー とおまわり ー

第8章 触れる



「どうした?」

「知りません」

「ひいろ?」

「……知りません」


そう言うと、ひいろは拗ねたような顔のまま、横を向く。その仕草がいつもよりも幼く見え、なんとなく微笑ましく見える。


「光秀様。今、笑いましたか」

「いや」

「小娘だと思いましたね」

「……………」

「やっぱり」

「どうした、何か気に障ったか?」

「……どうして、失敗作を気にされるのですか?一番上手くできたものを差し上げたのに」


拗ねた顔を崩さぬまま、ひいろはそう言って俺を見る。目を見れば、本当は笑っている顔か見え隠れしている。


「お前の全てが気になるからな」

「お顔に嘘だと書いてありますよ」


あながち嘘ではないのだが、ひいろは本気にはしてくれず、俺の言葉は軽くあしらわれる。

幼さと艶やかさが入り交じる、不思議な色香にあてられ、ひいろのすべてを暴いてみたい。そんな衝動が無いわけでもないが、そうしたからといって、どうなるのだろうか。

ひいろの想いは家康へ。
俺の想いは………想いは……
今はただ、ひいろとの時を過ごせればいい
……のか?

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