• テキストサイズ

イケメン戦国 ー とおまわり ー

第8章 触れる



ゆるゆると時は流れ、空いた徳利の数がふえていく。


「光秀」

「はい」

「人とは、愛やら恋だのいうものに狂わされるらしいな」

「……はぁ」

「光秀」

「はい」


月の方を向いたまま、御舘様の呟くような声が聞こえる。



「俺も、人であったようだ」



俺の耳に届いたその声は、ひどく優しいものだった。


「御舘様……」

「戯れ言だ、気にするな。だがな……」


振り向いた御舘様と眼が合う。


「あれは、俺のものだ。くれてやらんぞ」

「……はい」


一瞬ではあったが、いつになく御舘様の眼が熱く燃えているように見えた。
/ 382ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp