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【文豪ストレイドッグス】愚劣なる恋愛詩

第19章 【R18】Me & the rhythm(中原中也)


「そうだった、テメェ!姐さんに俺の写真渡すのは金輪際やめると誓え!」

「ヤです。」

「ち、か、え。」

「ヤ、で、す。」

 こんにゃろう、と。

 中也さんは笑いながら私の頬をつねる。

「いひゃいれす。」

「おう、知ってる。」

 負けじと耳をつかめば、イテェ、と返ってくる。

「…らって自慢しひゃいじゃないれすか。」

「あ?」

 首を傾げた中也さんが頬から手を離す。

「…私の彼氏は超かっこいいんだぞって…自慢したいじゃないですか…。」

 口をあの字に開けたまま固まっていた中也さんが、赤くなって目をそらす。

「…お前…さっき可愛いって言ってたろうが…。」

「忘れました。忘れてください。」

「ぜってぇ忘れねェ。」

 テメェ本当にかっこいいと思ってんのか、と。

 中也さんは不満げに私を見る。

 ラムネのように澄んだ瞳に。

 若干の熱を感じ取って視線を逸らせば。

「……っ…。」

 あごを掴まれ、舌がねじこまねる。

 今の会話のどこにスイッチがあったんですか?なんて。

 まぁ、聞いても無駄なんでしょうけど。

 ゆっくりと。

 ソファーに押し倒される。

 唾液が混ざり、心音が重なる。

 私とそのリズムの間には何もない。

 思考すら、介在しない。

「相っ変わらず肌白ェなァ…真っ赤にしたくなる。」

「…血で?」

「くくっ…まァそれも悪くはねェが。」

「んっ…!」

 チクリと痛みが走って、赤い花が転々と咲き乱れていく。

 吸われる度にピクピクと反応するのが楽しいのか、中也さんは上目遣いでこちらを見ながらニヤリと笑う。

「…キスだけでイケるんじゃねェの?この変態。」

「私が変態だとしたら、間違いなく中也さんのせいです…!」

「そりゃ結構。」

「…やっ…!」

 いつの間にか上は一糸纏わず。

 ヌルリとした舌が頂を這うと、背中が浮いてしまう。

 緩慢な舌の動きが私の理性をじりじり奪っていく。

 太ももに当たる中也さんのソレは、布越しにも熱い気がして、それだけで腰のあたりが熱くなる。

 じわり、と蜜が溢れたような気がして、私は赤くなった。

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