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【文豪ストレイドッグス】愚劣なる恋愛詩

第10章 Let me love you (中原中也)


「さて。今回は派手にやったねぇ。」

 首領の前に呼び出された中原の横で、深愛が視線を逸らす。

「被害人口三千人って…。しかもこれ、男性だけだからね?」

「…すみません。」

「しかも、その三千人、宗教作って君のこと『天使』って崇めてるよ。どちらかというと淫奔の悪魔だよね。」

 じりじりと近づいてくる首領に、深愛がさりげなく中原の背に隠れる。

「ここ一週間で出された離婚届は三百通。多分まだ増える。痴話喧嘩が絶えず、治安も悪化。新宗教のせいで街は混沌を極めています…と。」

「……ごめんなさい…。」

「いや、今回はQを同行させた僕にも責任があるからね、いいんだけどね、うん。」

 その辺にしてやってくださいよ、と目だけで訴える中原にニコリと笑い、鴎外が離れていく。

 ほっと一息をついた深愛に、鴎外が「それとねぇ」と言う。

「気になっていたんだけども、今回、前回の六倍である三千人も被害が出たのはもしかして、中也くんと恋人になったからなのかな?」

「え。」

 思わず声を上げて、中原は深愛を見る。

 すると、真っ赤になって目をそらした深愛が、ぎこちなく頷いた。

「じ、自分で思ったよりも能力が前より強化されていまして…その…三千人は予想外だったというか…すみません…。」

 へぇー!やっぱりそうなの、と楽しそうに言った鴎外が、中原を見る。

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