第6章 How deep is your love? (福沢諭吉)
そんな私が、同い年の恋人にするようにスキンシップを測れば、はたから見れば社長は「娘を連れたお父さん」か「バカ女を引っ掛けた不倫男」だ。
私はともかく、社長の品格を落とすようなことはできない、社長の恋人として。
けど、それが悪かったと私は認めなければならない。
もう少し甘えておくべきだった。
だからこんなにも、内側に苛烈さすら帯びた愛情を溜め込んでしまったのだから。
「うーん、けど深愛君はもう少し年相応になってもよいと思うのだよねぇ。社長も大人な女性がよかったら最初から深愛君は選んでないと思うし~。」
「ちょっとそれどういう意味!?どこかの敵対組織のロリコン首領と、私の社長を一緒にしないでよ!」
「『私の』社長ね。」
「だぁって私のだもん。」
だからー、そういうところを社長にも見せなよねーって話をしているのだよー、と太宰はソファの背を揺らしながら言う。
くぉら太宰!何をサボっている!と国木田君が太宰を連れて行くのを眺めながら考える。
太宰はああ言ったが、果たして本当にそうだろうか。
社長は21歳の私だから好きになったのだろうか。
今まで考えても仕方ないと諦めていたけれど、太宰の言葉が棘のように胸に刺さってとれない。
ねぇ社長、どうして私なんかを選んでくれたんですか?
私のことどれくらい愛してますか?
深く本気で、私のこと、思ってくれてますか?