第4章 【R18】Into you (中原中也)
先帰ってろ、と部下に伝えると、中原は深愛の腰掛ける、天蓋付きの無駄に豪華なベッドに乗り上げる。
「…ちょ、まさかここでおっ始めるとか言わないですよね…?」
中原の視線から、北極の氷河をも溶かすような熱を感じ取ったのか、深愛がじり、と後ずさる。
もちろん中原がそれを逃すわけもなく、パシッとつかまれた手首を支点に、彼女はあえなくベッドに組み敷かれてしまう。
「…任務中ですよ。」
苦々しそうにそういった深愛に、中原はニヤリと笑う。
「報告書は別の奴に任せた。そして今日の分の仕事は、俺もテメェもこれで終わりだ。」
ぐっと抵抗するように力のこもった手首を、縛り付けるようにベッドに抑えつける。
両足を割って体を滑り込ませれば、深愛がこちらをにらみつけてきた。
「中也さん、さっきまで私が他の男を口説いていたベッドでしたいだなんて、どんな趣味ですか。」
「相変わらずの減らず口で結構だが、なんでかその男を口説いていた状況ってのが、スイッチ入れちまったんだよなァ。」
「何言ってんですか、家に帰ってからでもいいでしょう?ほら、いい加減放してくださ…んぅ…。」
噛みつくように唇に吸いつくと、深愛は急に大人しくなる。
キスをすると大人しくなるのはいつものことだが、ここまで従順だと笑いが漏れてしまう。
最も、そうなるように躾たのは、他でもない中原自身なのであるが。
はっ…と唇が離れると息を吸い込んだ深愛の口元から、つぅっと銀の糸が伸びる。