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【文豪ストレイドッグス】愚劣なる恋愛詩

第19章 【R18】Me & the rhythm(中原中也)


「手でイくなんて言わねェよなァ、深愛?」

「…う~~っ!」

 バシッと。

 涙目で中也さんを叩くが、まだ足先は軽く痙攣していて。

 けれどそれも快楽が足りない、と叫んでいて。

 ゆっくりと、中也さんが中に入ってきたときには、それだけで達しそうになったくらいだ。

「…っ、ふ…、気持ちよさそうな顔しやがって…。」

「…中也さんの、せいです…!」

 息が詰まるような圧迫感と。

 彼の熱に、血液の中で何かが弾けるような感じがした。

「んっ…あっ!」

 私の指に自分の指を絡め、中也さんが熱い息を吐いて腰を揺さぶる。

 科学の発熱反応のように。

 私と中也さんの間に熱が生まれ、どんどん温度をあげていく。

「あっ、あぁっ、中也さんっ…!」

 私の腕を押さえつけ、中也さんの体重が体にのしかかる。

 その自然な重さが愛しくて、私は中也さんに足を絡める。

「深愛っ…!」

 中也さんが無意識のように私を呼び、それが嬉しくて私は中也さんにすがりつく。

 腕の拘束が解かれ、互いに抱き合えば、ドクンッ、と心臓が波打った。

 肌を通して、中也さんの心臓の音を感じる。

「…あぁっ、もっ、と…!」

「く…ははっ、わかって、らァ!」

 心音が重なって。

 いっそう強く打ちつけられた腰に、快楽の絶頂に達し、幸福のパラメータが振り切れて、私の視界が真っ赤になる。

「くっ、はぁっ…!」

「やっぁぁぁあっ…!」

 胎内に入り込んできた生暖かさに、意識が引き戻される。

 胸で呼吸をしながら中也さんを見ると、細い息を吐き出し、彼は私の上に倒れ込む。

 ただでさえままならなかった呼吸がさらに苦しくなり、私は中也さんの肩をたたく。

「っ…重いです…。」

 私が言うと、悪ィ、と囁き、しかし中也さんはそのまま私を抱き締める。

 諦めて私も抱き返せば、彼は愉快そうに笑った。

「テメェは俺に甘ェなァ?」

「中也さんほどじゃないです。」

「俺は自分に厳しい男だろうが。」

「そうではなく…。中也さんが私を甘やかすほど、私は中也さんに甘くないです。」

 私が言うと、中也さんは一瞬目を見開き、くくっと笑った。

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