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【文豪ストレイドッグス】愚劣なる恋愛詩

第19章 【R18】Me & the rhythm(中原中也)


「たりめェだろうが。俺ほどテメェに甘い奴もいねェし、テメェほど甘やかされてる女もこの世にはいねェ。」

 その声があんまりにも甘く妖艶だったから。

 私は何も言えなくなってしまう。

「なんだよ、照れてんのかァ?」

「…っ、うるさいです…!」

 ちびっこマフィア、と罵れば。

 彼は怒りながらも、決して私に回した腕を離そうとはしなかった。

 だから私も腕を回したまま離さないんだろう。

 多分、永遠に。

「なんでもいいが、もう一回ぐらい、イケるよな?」

「は?無理に決まっているでしょう?私は中也さんみたいな体力おばけじゃないんです。」

「よっし、イケるな。」

「ちょ!耳!耳腐ってるんですか!」

 にっこり笑った彼が私を抱き上げる。

「明日俺は休みだからな。」

「私は仕事あります!」

「なんで有給取らなかったんだよ。こうなるってわかってたろ?」

「それは…。」

 わかっていなかったと言えば嘘になるけれど。

 けど仕方ないじゃないですか。

 社会人が有給取るのは難しいんですよ、なんて。

 上司である中也さんに言っても無駄だろう。

「ま、病欠ってことでいいだろ。」

「いや、流石にバレますって…。」

 聞く気なんてさらさらない私の恋人は、上機嫌でベッドに私を押し倒す。

 諦めて求められるがままに応じれば、彼が耳元で囁いた。

「…ほらな?だからテメェは俺に甘いっつってんだ。」


(Nothing is between me and you.) 
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