rain of jealous【黒バス/ナッシュ】
第1章 rain of jealous
「いっ・・・、ナッ・・・、いく・・・やだ・・ッ、―――!」
「ん・・・、んっ・・」
何を言っても、どう抗っても、愛撫は止められなかった。
充血した芽が段々と限界を迎えて、快楽が最高潮になろうとした瞬間も、ナッシュが名無しの水瓶のふちから舌を離すことはなかった。
くちゅくちゅと卑猥な音を響かせながら、ソファがどうなることかも厭わずに彼女の絶頂を誘い込む。
ローブの襟元から覗く、ナッシュの首筋は少しの墨の曲線をなぞりながら、名無しは声高に甘美を散らした。
「ッ・・・は、ァ・・・・、ん・・・はぁ・・」
「――はぁ・・・、・・」
「ッ・・・・」
「――オレが抱くのは・・・おまえだけだ。・・覚えとけ・・・」
「・・・・―――・・」
蜜の漏れた下半身。
その透明な粘液を舐めとる、卑猥なナッシュの舌。
心地よさのあまり、熱を持った身体に力が入らなかった名無しの淫らな姿は、彼女が浴びた絶頂の大きさを物語っていた。
そんななか、襞を甘噛みされながらナッシュが口にしたのは、到底一度として耳にすることは、きっと普段ならありえないであろう言葉。
独り言のように、不機嫌を装い吐露されたナッシュの甘いそれを、名無しは虚ろ虚ろに聞いていた。
ただ一人、臍の奥をきゅんと疼かせることしか出来ないまま――。
潤んだ瞳に映った風景が変わった瞬間、名無しはその身がふわりと浮き、墨彫られたナッシュの逞しい腕によって横抱きにされた事に気付き、吐く息を止めた。
熱情の込められた重なる視線。
自分を見つめるナッシュの吸い込まれそうな瞳に、達ったばかりの名無しの身体は、再び甘くひりついた。
rain of jealous