rain of jealous【黒バス/ナッシュ】
第2章 rain of jealous 2
「・・・・・」
濡れた手のひらを一人見つめる。
まだあまり引きそうにない生々しい痛みの跡に構わず、ナッシュはじっとりと、しばらくのあいだシャワーに打たれ続けた。
その痛みが、彼女が自らの意思で、自分の背に腕をまわした証なのだと感じさせていたゆえに・・・。
「・・・名無し・・――」
紡ぐ名に込める、どろどろにまみれた己の欲望。
その中に含ませる、彼にしか知り得ない願い。
笑みは消せどもシャワーの下、ナッシュは一人俯いたままだった――。
rain of jealous