rain of jealous【黒バス/ナッシュ】
第1章 rain of jealous
「フ・・・はっ・・・・ハハ!」
「な・・・ッ」
「ハッ・・・。・・・・そういうことかよ・・」
「・・っ・・、笑っ・・・、私は・・!ん・・・」
ソファの上、今はまだ悪戯に身体を弄ばれていても、名無しは拒んでいたし、ナッシュも意識を確かに持っていた。
だから此処でのことは、互いに平常心で物事を口にしている状況だった。
名無しはナッシュに言及されると、はじめは返答に困り、見事に物言いあぐねて気持ちを混迷させていた。
けれど肩を抱かれて振り向かされ、ソファに浅く腰を下ろさせられる。
彼を正面から見ても、幸い頭の中がまだ完全に色情に染まり切っていなかったからこそ、その後すぐに自然と言葉を、理由を口漏らすことが出来ていた。
ナッシュに嘘はつけない・・・だからありのまま、浴室から出られなかったその理由を。
そうやって喉に力を入れ、やすみやすみ言い返していることに一番驚いていたのもまた名無し自身だ。
ナッシュはそれを黙って聞いていた。
そこから彼が新たに不機嫌になるということもなかった。
それどころか、直後響いたナッシュの高笑いに、名無しの方が少し狼狽えるほどだった。
「ナッシュ・・っんん・・・!・・・は・・ぁ」
身体に好き放題悪ふざけをしているあいだに抱いた、シャワー後に感じた、いつもの名無しの雰囲気が違った理由。
名無し本人の返答により、彼の中で疑問が昇華されたことで、ナッシュは殊の外素直に納得すると、その上で潔く笑っていた。