rain of jealous【黒バス/ナッシュ】
第1章 rain of jealous
「名無し」
「ッ・・・友達に少し・・、疑われてて。此処にはあんまり来てない筈なのに・・いつもの自分とは違う・・・別の匂いがするって・・」
「っ・・・・」
「だからここの石鹸では洗えなかった・・・またナッシュと同じ匂いが・・・残るから・・」
「!・・・・」
「・・・だからって、此処に自分の私物は持ち込める立場じゃない、から・・・彼女じゃないんだし。・・・それだけ。全部疑われたくないから・・・っ。此処でのことは誰にも・・」
「・・・・・」
「・・・、・・ナッシュ・・・?」
激しく身体を重ね合わせて、キスだって、何度も交わしてきた。
抱き合った時に口にする内容など、本気だろうと真に受け合う方が愚かなことはその都度感じていた。
たとえ言葉足らずでも・・・着実に想いを音に乗せても、所詮そこはただの濡れ場。
脳は享楽に埋もれ、それゆえに判断力なんて大いに乱れる。
だから流れに任せてつい言ってしまう、なんてこともあって当然かもしれない。
名無しは特に経験済みだったから・・・。
少なくとも自分たち二人の関係には十分ありえたことだった。
結局ナッシュとは、身体だけの関係を超越することなど出来ないのだと尽く思い知らされる――。