第11章 初めては視線と共に
トボトボと家へ帰る、鍵…開いてるって事はお兄ちゃん達は帰って来てるんだ…私は何も悪くない…堂々としてればいい、そう自分に言い聞かせて玄関を開ける。
「お帰り~なみえちゃん、どこ行ってたの?」
うわぁ…おそ松お兄ちゃんとカラ松お兄ちゃん…なんで玄関にいるの?
『ただいま、タイムセールの玉子買いに行っただけ…』
そう言って台所に行こうとしたらカラ松お兄ちゃんに手を掴まれた。
「一人で行くなんて危ないじゃないか!」
『何言ってるの?タイムセールなんだよ?その時に行かないと無くなるでしょ、一緒に行ってもらおうと思ったらお兄ちゃん達は皆揃っていないんだもん!仕方ないでしょ!だからこうやって変装してるんじゃない、何なのもう!?』
手を振りほどいてキャップとマスクをとる。
『もういい?晩御飯の準備しないとだから』
そう言って今度こそ台所に引っ込んだ、私悪くない、文句なんて言わせないんだから…。
あぁ…なんか今日は気乗りしない、でも約束だし…あれだよねぇ…何か自分にもご褒美欲しいな…そうだ!明日動けるようなら一人でショッピング行って何か服買おうかな、色々お店まわって良いものあったら買っちゃお♪
これはお兄ちゃん達には言わないほうがいいかな、絶対ついてきそうだしね。
息抜き必要!明日何着て行こうかな♪考えると楽しくなってきた♪
晩御飯食べ終わって皆で居間で寛ぐ、私はファッション雑誌を見ながら明日のご褒美という名のお出掛けの計画を立てていた、ん?ポケットの中の滅多に鳴らない私のスマホが鳴る、スマホを取りだして確認すると前の学校で仲の良かったA 子だった。
『はい、もしもし♪A 子?元気してる?…私?アハハ♪私は元気だよ~!…うん…うん……へぇ………マジでっ!?彼氏出来たの!?どんな人?……うん…ん~私?いないいない……明日?うそぉ♪彼氏と一緒にこっちに?……うん…うん……うん…いいよ~♪……うん…じゃあ明日10時に赤塚駅の前だね?……うん明日ね…おやすみ~』
やったぁ♪これで出掛ける口実出来た!
「何?なみえちゃん明日出掛けるの?」
『うん♪前の学校で仲の良かった友達のA 子ちゃん、彼氏と明日こっちに遊びに来るんだって~♪まぁたぶん彼氏自慢だろうけどね♪て事だから私明日出掛けるね♪あっ、大丈夫付き添いはいらないからね♪』
明日が楽しみ♪