第13章 学校が始まるまでに
こうやって家の近所をのんびりした気分で歩くのってこっちにきてから初めてかも、しかもカラ松お兄ちゃんと二人きりだなんて夢みたい♪
こうやって手を繋いで歩いてる私達って恋人同士に見えるかな…?二人共ツナギ着てるからペアルックって言うんだよねこれ。
『あー♪最っ高っ!!』
ギュッとお兄ちゃんの腕に抱き付く。
「んー?どうしたんだ?」
『なんでもなーい♪ただお兄ちゃんが好き過ぎてどうしようもないだけー♪』
私がそう言うとお兄ちゃんはスチャリとサングラスを装着する。
「フッ…可愛いなみえに好かれる罪作りなオレ…////」
あ、照れ隠し…かな?ホッペが赤くなってる。
「おや~?おそ松ザンスか?」
河原に差し掛かった所で急に声を掛けられる。
「カラ松だ」
「何してるザンス?十四松」
「カラ松だっ!イヤミ、お前わざとだろっ!」
私はお兄ちゃんがイヤミと呼んだ人物をマジマジと見る、第一印象は胡散臭そうな超出っ歯のおじさん。
「オレは今忙しい、どっか行ってくれ」
「珍しい光景ザンスね、チミに引っ付いてる可愛いお嬢さんは誰ザンス?ミーに教えてチョーよ」
「はっ?オレの嫁だが?」
えっ…////お兄ちゃん…今私の事…嫁って言った…オレの嫁…あぁ~なんて良い響きっ♪ありがとうございますっ!!
「ニートのチミに嫁なんて頭何処かでぶつけたザンスか?」
かなり失礼な人ね…。
『よ、嫁の松野なみえです!』
私はお兄ちゃんの腕に抱き付きながら自己紹介する。
「もういいだろ?じゃあなイヤミ、行こうかなみえ♪」
『うん♪もうカラ松お兄ちゃん大好き~好き好き~っ!!』
「フッ…そうか♪オレも大好きだぜ、ハニー☆」
ふたたび歩き出した私達の後ろからシェーッ!とか聞こえる。
ブラブラと歩きたどりついた大きな公園のベンチで休憩する事にした。
『お兄ちゃん、おやつ食べようよ♪』
「フッ…午後のティータイムだな♪」
私は横に置いたバスケットの蓋をあけると中からおしぼりを取り出してお兄ちゃんに渡す。
ステンレスボトルと紙コップを取り出して紅茶を注ぐ。
『はい♪お兄ちゃん好きな方食べてね』
カラ松お兄ちゃんは差し出したバスケットの中を見るとクマドレーヌを手に取る。
「キュートなマドレーヌだ、なみえはなんでも上手に作るんだな」