第2章 女の子は脆いんだから
その場を治めたのは、夕飯の買い出しから帰宅した松代だった、流石は六つ子の母親である。
「ニート1号、2号、4号、6号、そこに並んで正座!!!
3号と5号は客間から布団を持ってきて、そこにひいて、なみえちゃんを寝かせてちょうだい」
布団を敷きおわりなみえが寝かせられたのを確認し、憤怒の形相で仁王立ちの松代はニート四人を睨んだ。
「さて、気絶したなみえちゃんを抱えてたのは2号ね?何があったのか説明しなさい!」
「わかった…」
「かくかくしかじか便利だね━━━━━━というわけだ…」
「なるほどね、鉄拳制裁よ、四人とも覚悟しなさい!!」
「2号、あんたは付きっきりでなみえちゃんの看病を責任持ってやりなさい!わかったわね!」
「「「「はいぃっ!!!!」」」」
松代の鉄拳制裁はただの拳骨だが確実にたんこぶが出来るほど強烈なのだ、四人の頭にはそれは見事なたんこぶが作られていた。
「かっはぁ~、相変わらず松代の拳骨痛いよな~」
「なんでボクもなの!?捲き込まれただけだよ!!」
「ふっ、悪かったなブラザー」
「おれも…ごめん…」
なんとか収拾はついたが、六つ子は今だ布団で眠るなみえが気になって仕方なかった、居間で寝かされているのだから目に入る。
カラ松以外は名前しか聞かされていないし、なぜここにいるのかも知らないのだ、それもかなりの美少女だ、気にするなというほうが無理なのだ。
皆が布団の周りに集まり、寝顔を覗きこむ。
「なぁカラ松ぅ~、この子の素性知ってんだろ?お兄ちゃんに教えろよ~」
「そうそう、カラ松兄さんばっかりズルいよ!どこで知り合ったのさ?」
「おれも…聞きたい…」
「僕なんか初見がこの状態だからねっっ!!」
「やきう?」
「いや、野球じゃないからね十四松」
「なんだ?知りたいのなら別に構わんが、後でマミー達が説明してくれると思うんだがな、まぁ、いいだろう、この子は松野なみえ、ダディの従兄弟の娘さんだ、なぜここに居るのかまでは知らないぞ」
「じゃあ、カラ松兄さんはどこで仲良くなったの?こっちに遊びに来た事ないよね?それならボク達も知ってるはずだし」
「あぁ、法事でだな」
「え~?俺長男様なのに行った事ないよん?」
「当然だろう、お前いつも逃げてたからな」