第10章 不自由?しょうがないよね
声を掛けようとした時、魚屋さんから綺麗な女の人が出てきてお兄ちゃん達と話してる、咄嗟に近くの路地に身を隠して顔だけ覗く。
かなり親しいみたい……もしかして…あの人がお兄ちゃん達のアイドルのトト子ちゃんかな…?なら別に隠れる必要ないよね、そう思って路地から出ようとしたらいきなり口を塞がれた。
『ングッッ!?』
「へぇ♪かなりの上玉じゃん」
学生服?を改造したようないかにも素行の悪そうな男の子達に路地裏に引きずり込まれた。
「なぁなぁ可愛い子ちゃん、俺達と遊んでくれよ♪」
下品な笑い声をあげながら私は五人の男の子達に取り囲まれる、何なのこの人達!?もしかして不良とかいう人達?
『な、なんですか…?急いでるのでどいて下さいっ!!』
「おっと、逃がさないよ」
立ち塞がる間をすり抜けようとしたら、後ろから羽交い締めされた、不良の一人が私の胸に手を伸ばす…ゾワリ…嫌悪感が混み上がる、やっ…やだっ!!
『いやぁっっ!!離してっ!!気持ち悪い!触らないでっっ!!!』
「ねぇ…あんたらその子に何してんの…?」
聞き覚えのある声が不良達の後ろからした。
『一松お兄ちゃん!!』
「なんだぁ?邪魔すんな、痛い目に合いたくなかったらあっちいけよ」
「何してんのかって聞いてんだろうがぁっ!!」
ドゴッッ!!お兄ちゃんに近付いた不良の一人が横に吹き飛んだ、足で蹴っただけなのに…凄い…。
「なっ…テメェ何しやがるっ!!」
不良三人が一松お兄ちゃんに向かって行こうとした時、また聞き慣れた声がした。
「おーい、あんたら向こうまで声が聞こえちゃってるよ?」
「なみえっっ!!」
おそ松お兄ちゃんとカラ松お兄ちゃん…。
『ちょっと!!離してよ!!何なのよ!あんた気持ち悪いのよっ!!!』
私を羽交い締めにしてる不良に言ってやった。
「んだとぉ!!この…グェッッ!!」
急に解放された…?羽交い締めにしてた不良がのびてる。
「もう探したんだからね、一緒に行こうと思ったら、なみえちゃん一人でさっさと行っちゃうんだもん、でこれはどういう状況なわけ?」
チョロ松お兄ちゃんだ、探してくれてたんだ…。
『えっと…この人達に路地裏に引き摺りこまれて襲われる一歩手前だったの…』
転がってる不良と驚いて固まってる三人の不良を見ながら説明する。