第8章 長兄は何かと大変なの!
参ったな…泣かせるつもりはなかったんだが…。
「泣かないでくれなみえ、プリンセスを泣かせるナイトなんて、クッ…オレとしたことが…これだから普段空っぽなんて言われるんだろうなぁ」
『ううん、違う、これは嬉し泣きだよ!それにカラ松お兄ちゃんは空っぽなんかじゃないっ!誰!そんな事言うのは!馬鹿って言ってるのと一緒だよっ!?』
今度はプンスコ怒りだした、落ち込んだり泣いたり怒ったり、コロコロ表情が変わる、だがそれこそがなみえらしさだろう、どうかそれがなくなりませんように…とオレは祈った。
「フッ…ありがとうな、そうか…泣くほど嬉しいのか…だが嬉し泣きでも目が腫れるし、泣き顔も怒った顔も可愛いが、オレはできればなみえの笑った顔の方がもっと可愛いから大好きだな」
『もう////お兄ちゃんたら…さっきから私のハートが撃ち抜かれっぱなしだよ?あぁもうお兄ちゃん素敵!好き!大好き!!愛してるぅ~////』
「Oh !!アウチッ!!」
勢いよく首に抱き付いてきたので、バランスを崩してひっくり返る、なみえは上体を起こすとニッコリ笑う、待て待て待つんだっ!!何故オレのパジャマのボタンを外してるんだ!?変なスイッチが入ったのか!?
「ステイ!!ステイだ!!なみえっっ!?」
『ウフフフ~♪待てなぁーい』
「ただいま~」
パジャマの上を剥ぎ取られる寸前、居間のふすまが開きそこには帰ってきたマミーがいた。
『お帰りなさい♪お疲れ様です!おばさま』
「あらあら、まだ起きてたの?」
『エヘヘ♪我慢できなくて、カラ松お兄ちゃんを襲ってました~♪』
「あらまぁフフ♪しょうがないわねぇ、程々にしときなさいね♪」
ま、待つんだマミー……なんかその会話おかしくないか!?見た目にはどうにも気まずい構図なのに気にする様子もなく話が進む。
「それとね、なみえちゃんは家に来たばかりなのに早々悪いんだけど、明日から暫くお父さんが長期の出張でね、そこが私の親戚の家に近くて…私も付いて行きたいんだけどいいかしら?」
『私なら気にしないで、おばさま♪家の家事もお兄ちゃん達のお世話も大丈夫よ、まかせて!!』
「本当に助かるわぁ♪じゃあ早速私達の部屋へ来てくれるかしら、色々伝えておくこともあるし♪カラ松、あんたも早く寝なさいね、おやすみ」