第1章 再会
『カラ松お兄ちゃんっっ!!』
懐かしくて、愛しいお兄ちゃんを見たらもうダメだった。
恐さと、緊張の中にさっきまでいたからか涙腺が決壊してしまい、泣きながらいきなり居間から飛び出してきた私に、ビックリして固まるカラ松お兄ちゃんの胸の中に飛び込んだ。
『グスッッ…恐かったよぉ…カラ松お兄ちゃん…お兄ちゃぁん、ヒッ…ヒック…会…えで…よがったぁぁぁ!!!!』
「ど、どうしたんだ!?ガール!?何があったんだ!?ん?もしかしてガールはなみえか?」
わんわん泣く私を抱き締めて背中をぽんぽん優しく叩き、落ち着かせようと声をかけてくれる。
「大丈夫だ、もう大丈夫だからな…落ち着くんだガール」
カラ松お兄ちゃんの耳に優しくて気持ちいい、テノールボイスのお陰でだいぶ落ち着いてきた。
私はそっと胸元から顔をあげてカラ松お兄ちゃんの顔を見た、優しく微笑むと私の頭を撫でながら今一番欲しい言葉をくれる。
「笑ってくれなみえ、その可愛いい顔でエンジェルスマイルをオレにくれないか?」
「カラ松兄さん、イッタイよねーー!!」
「アイタタタッッ!!やめて~!お兄ちゃん肋折れちゃうから~~!!」
なんだか外野がうるさいけど、そんなの関係なーい!
カラ松お兄ちゃんの大好きな私の笑顔、受けとって。
『うん!カラ松お兄ちゃんありがとう、大好きだよ』
顔を見つめながら、ニッコリと笑って、またポスンと胸に顔を埋めた。
「こんな所じゃなんだから、皆居間へ行こうか!なみえ歩けるか?」
ふるふると首を横へ振る、カラ松お兄ちゃんがさりげなく支えてくれてたけど、蹴られた背中は痛いし足はガクガクしててまだプルプルしてる。
「フッ…任せろ」
そう言うとヒョイと軽々とお姫様抱っこされた、待ってこれパンツ見える…、でも降ろされるのも勿体ないので考えないでおこう。