第1章 再会
居間のちゃぶ台の前に、カラ松お兄ちゃん以外の赤と桃のお兄さん、部屋の隅で体育座りで闇を抱えて震える紫のお兄さん。
そして私は胡座をかいて座るカラ松お兄ちゃんに跨がりコアラ状態だった、こんなに密着する機会なんて滅多にないもん、離れたくない。
「なみえ、何があったんだ?そして何故、なみえがここに居るのか話してくれないか?」
カラ松お兄ちゃんはコアラになってる私を優しく引き剥がし、肩に手を置いて、私の目をまっすぐ見ながら聞いてきた。
『背中…蹴られたの…私…おばさまにお留守番頼まれて…いつの間にか寝ちゃってたの…そしたら…なぜか紫のお兄さんに蹴られて…クソ松…って、邪魔って…暴言吐かれて…私…凄く恐くて恐くて…そしたら…カラ松…お兄ちゃんの声が聞こえて…』
そこまでつっかえつっかえ話した時、カラ松お兄ちゃんにギュッて抱き締められて、なんだか少し震えてるみたいだけど、背中を優しくさすってくれた。
「そうか…よく話してくれたな、恐かったんだな…痛かっただろ?大丈夫だ、なみえに恐い思いはもう、させないからな!」
「で、どうなんだ?一松…なみえの言った通りなのか?弁明なら聞いてやるぞ」
なんだか聞いた事ないような低い声で、たぶん紫のお兄さんに言ってるんだろう、そして抱き締める力がなんか強くなってきた気がする…てか、ダメ!これ苦しい!む、胸がつぶれる!あっ、頭がボーッとしてきた…ダメだこれ……
私の意識はそこで途切れた…。