第6章 天然?カラ松ガール?別にいいんじゃね?
「ありゃ?ちょっととか言ってたけど、結構ダメージでかい感じかな~?」
目を閉じた後、クタリと身体の力が抜けたようにベンチに凭れるなみえを見て、番台でうちわを借りてきたおそ松と、いつの間に用意したのかミネラルウォーターと濡れタオルを手にしたカラ松が両隣に座ると甲斐甲斐しく世話をしだす。
うちわでなみえを扇ぎながらおそ松はチョロ松に指示をだす。
「チョロちゃーん!待たせると後々気にしちゃうだろうからさぁ、弟達連れて先にチビ太のとこ行っててもらっていい?ちゃんと合流するから、どうせ家の前通るし荷物になるから悪いけどコレもついでに家に置いてきて♪」
「はぁ?………あぁ…うん、そういう事ね、わかったよ、ちゃんと後から来てよ」
「それは大丈夫、弟達のフォローもついでによろしくねん♪」
チラリとなみえを見て少し考えた後、了承の返事を返すとおそ松とカラ松の銭湯道具を持ち、なんで?と不満気な下三人を促し銭湯を出て行った。
「さすがだな、兄さん…その…気を使わせてすまない」
「はぁ~?なんであやまんの?お前のためじゃねぇよ、落ち込んでるより笑ってる方が可愛いからな♪」
カラ松をチラリと見るとなみえに視線を戻しヘラリと笑う。
「フッ…そうだな」
カラ松はそんなおそ松を眩しそうに見た後、同じようになみえを見て優しく笑う。
それから程無くしてなみえが目を覚ます、おそ松とカラ松が同時に顔をのぞきこむと声をかける。
「おっ、起きた♪なみえちゃん大丈夫?」
「フッ…眠り姫のお目覚めだな、気分はどうだ?」
『あ…うん、大丈夫だよ、お兄ちゃん達…ずっとついててくれたの?』
「まぁな、下の四人は先に行って待ってるってさ、動けるぐらい回復できた?お兄ちゃん心配したよ~」
「なみえを置いて行くなんて選択肢はないぞ、ノド渇いただろ?水飲むか?」
『うん、飲みたい、ありがとうカラ松お兄ちゃん』
カラ松から受け取ったミネラルウォーターを飲むなみえの様子はすっかり大丈夫そうだ。
なみえはベンチの下からナップサックを取り、中からブラシとゴムを出し手早くポニーテールにすると、出していたタオル等をしまい、いつでも出れるよう片付ける。