第4章 愛しい守るべき存在
なみえはブラザー達を見渡すと、ニッコリ笑って挨拶する。
「おはよう!お兄ちゃん達♪朝ご飯食べよ!私、下で待ってるね」
そう言うと、六つ子部屋を出て、階段を降りて行ってしまった。
「何あれっっ!!ツナギ姿もメッチャ可愛いいーっっ!!」
「はぁー、本当だね、綺麗だし可愛いいから、何着ても似合いそう!にゃーちゃんのコスプレしてくれないかなぁ!」
「ヒヒッ、猫耳も……付けてね…?」
「え~?俺は下着か裸がいいな~♪」
「起きたッッ!!!おはようございマッスルマッスル!!ハッスルハッスル~ッ!!」
この騒がしさの中で今起きるとは…フッ!さすがだ!十四松!
おそ松…お前の要求だけは絶体に許さん!!
そんな事を思いながら、階段を降り洗面所に顔を洗いに行く。
潔くブラザー達は起きたようだ、各々洗面所へと行く。
居間に行くと直ぐに食べれるようにオカズと副菜に漬物が用意してある。
後は白米と味噌汁をよそえばいい。
「なみえ、運ぶの手伝おう」
台所にいる、なみえに声を掛ける。
『ありがとう、じゃあ、これお願いね♪』
ブラザー達も揃ったようだ。
「「「「「「いただきまーす!」」」」」」
『お兄ちゃん達!おかわりあるからね♪』
台所から顔を覗かせたなみえに聞く。
「こっち来て一緒に食べないのか?」
『おばさま達と先に頂いたの、お昼は私が作るから、皆その時一緒に食べようね♪』
「えーっ!?ボク今日は夕方まで帰れない!!ずるいよボクだけ食べれないのっ!?」
『そっか…トド松お兄ちゃん用事があるって昨日言ってたよね?お休みしてる学校に行くとお弁当になるから、それまでに、言ってくれたら作るね!』
「本当!?うっれしいなぁ、約束だよ♪なみえちゃん!」
「そっか、高校生だったよね、学校は近いの?」
『ん~…チョロ松お兄ちゃんは知ってる?赤塚女学園だよ、前に通ってた学校と姉妹校だから編入試験だけで済んじゃった♪』
ガチャンッッ!!誰かが茶碗を落とす音がする。
正直驚いた、オレ達が通っていた赤塚高校からは近い距離にある乙女の花園、偏差値が低く不良校だった赤塚高校と比べたら月とスッポン、神棚とトイレといったところだろう。
ブラザー達は凄い凄いと騒いでいるが、オレは別の意味で心配だった。