第4章 愛しい守るべき存在
「なみえ、送り迎えはどうするんだ?」
『どうしたの?カラ松お兄ちゃん、普通に歩きだけど?』
「何~?カラ松ぅ、お前過保護すぎじゃね?」
「いや…おそ松、お前だって知ってるだろう?忘れたのか?あの乙女の花園はセキュリティはしっかりしてるし、学園の敷地に寮があるから手は出せんが、それ意外は大抵は送迎の車のあるお嬢さん方だ…」
そこまで言った時、ブラザー達はようやく気が付いたようだ。
「確かに…ヤバイね…」
「うん、ヤバイねっ!!ぼくでも分かるっ!!」
「どうするの!?」
「あー、確かに危ないね、片っ端から潰して行くとかはどう?」
「とりあえず、誰か手の空いてる奴が送り迎えすればいいんじゃね?俺達松野の六つ子の顔見れば、おいそれと手は出してこねぇだろ?後は様子見て対処するしかねぇよなぁ、だろ?カラ松」
さすがおそ松だ、普段はクズだが、こういう時に纏めるのはやはりこいつだな、クズだが。
「確かに、オレもそれがいいと思う」
「て事で、俺達の誰かが毎日学校と家までエスコートしちゃうからよろしくねん♪なみえちゃん♪」
『大丈夫だよぉ?大袈裟だよ?お兄ちゃん達!』
何も分かっていないなみえに、おそ松はオレ達弟には威力のある言葉で釘をさす。
「だぁ~め!!長男命令な!!本当に危ないから言ってんの、いいから俺達にも遠慮なく甘えてくれよな、そんで素直に守られてりゃいいの、分かった?」
ニシシと笑うおそ松の言葉に感動したのだろう、なみえがふわりとおそ松に抱き付いた。
『うん、ありがとう…おそ松お兄ちゃん!!私…嬉しい!』
「お、おう…////」
意表をつかれたのだろう、珍しくおそ松の顔が赤い、頭をポンポンしている、どうやら不埒な事をするつもりはないようだ、弟達からの突き刺すような視線のせいもあるだろうが。
オレも…今だけは見逃してやろう。