第4章 愛しい守るべき存在

部屋に戻るとオレはいつもの布団の定位置に潜り込んだ。

今日は疲れた…、だが心地の良い疲れだ。

明日も楽しみだ、と思いながら睡魔に身を委ねた。


チュンチュン…チチチ…


『……き……て、起き……起きてっ！！カラ松お兄ちゃん！！』

「う…ん…あ……？？…なんだ…？」

オレは、寝起きはいい方ではない、うっすら目を開けると、オレを逆さに覗きこむ顔…。

「……………」

暫くすると、その顔が引っ込んで、端から順番に声をかけているようだ。

『起きて！！お兄ちゃん達！朝ご飯出来てるよ！起ーきーてっっ！』

もぞもぞとブラザー達が起き上がる音がする。

「早い……」

「もー…何～？今何時なの？８時？え～？まだ早いじゃん…」

「うう…もう少し寝かせてよ…」

「なんだよ～も～…、眠いって～」

「グガ―ッ、スピスピ…」

各々抗議の声を上げるブラザー達、若干一人まだ寝ているようだ。

トサリッ！何かが布団に墜ちる音がした。

『キャッ！』

短い悲鳴が聞こえた。

ハッ！！と覚醒して飛び起きて声がした方を見る、おそ松が布団に押し倒して抱き付いていた。

「んーっ♪おはようのチュー」

『ちょ、ちょっと、待ってっ！！お兄ちゃんやめてっ！？』

「なっ…、何やってるんだっ！！」

「え～？朝のスキンシップ～♪」

ドガッッ！！オレはおそ松の横腹を蹴りあげた、なみえを立ち上がらせ、背に庇う。

「痛って―っっ！！本当に昨日から、お前の兄ちゃんに対する態度なんなのっ！？｣

「うるさいっ！不埒な事ばかりするからだっ！」

「お前ねぇ…独占欲強すぎ～」

ダメージはそれほどないようだ、寝癖の酷い頭をポリポリ掻きながら、ブツブツ言ってるが、知るか。

オレは振り返りなみえの方を向いた。

黒いツナギに少し開けた胸元から白いインナー、裾はロールアップにして、髪の毛はツインテール、正直凄く可愛いい！

「なみえそのツナギ…凄く似合ってるぞ！」

『本当！？嬉しい♪おばさまが用意してくれてたの、今日は荷物が届くから片付けるのにこっちの方が動きやすいでしょって♪』

「そうか、オレも手伝うからお揃いでツナギだな！」

『朝ご飯出来てるよ！今日は私も早起きして手伝ったの、おじさまとおばさまは、もう出掛けたよ？起きる？まだ寝てたい？一応準備しておくからね！』