第12章 尾行ブラザーズ
なみえ達を尾行しながら不毛な擦り付け合いを繰り返す六つ子達。
「確かにループしてるけどさ…だっていきなりボク達がトト子ちゃんを避けだしたら絶対家に来るよ!?だから人身御供が一人は要るでしょっ!?」
「こないだ家に来た理由なんだったっけ…おれ覚えてない…」
「あー…あれね、可愛いって言ってもらいに来たんだよね、定期的に来るよね、たしか“可愛いって言って貰ってチヤホヤして貰えるのが トト子の特権だも~ん♪”とか言ってたよねー、そんなの僕達に求められても困るよねー」
「アハハッ!!よくよく考えるとわざわざ可愛いって言ってもらいに来るってのがおかしな話っ!!」
「だってほら~そこはトト子ちゃんだからさぁ仕方ないんじゃね?我が儘なのは昔っからだしそういう子じゃん?」
「そういうならおそ松、お前がトト子ちゃんの相手をしていてくれ、なみえはオレ達に任せろ、オレはなみえが側にいる限り今後トト子ちゃんに関わるつもりは一切ないからな」
「はぁっ!?嫌だよ!だってトト子ちゃんてば触らせてもくれないし手を握ってもくれない、こっちは何にもしてもらった事ないし、くれるものっていったら蔑んだ視線と俺達を罵る言葉と暴力だよ?高望みし過ぎて結婚するなら石油王とか言っちゃってるんだよ?ただ可愛いだけの幼馴染みってだけだよ?そんな先の未来が見えない相手に時間費やすぐらいならお兄ちゃんはなみえちゃんの相手してる方がいいっつーのっ!!」
おそ松のそんな言葉を聞いた皆がうんうんと頷く中、顎に手をあて暫く考えこんでいたカラ松が決意したように口を開く。
「フム……なぁ…それなら今度家にトト子ちゃんが来た時にオレがはっきり言ってもいいか?これ以上なみえに変な誤解されたくないからな、おそ松…お前が言えないならオレが言うぞ」
「はぁっ!?お前何言うつもり!?」
「一つ言っておくが、別にトト子ちゃんは悪くないって事を皆頭に置いといてくれよ?これはあくまでもオレ達の都合だからな?」
モールの中で店に入って服を選んでいるなみえを見ながらカラ松はそう言って五人に念を押す。
「おそらくはどうせ暇だからかまえとかチヤホヤしろとかろくでもない用事だろ?なみえがいる前でそんな事出来るのか?オレは出来ない…だからな、きっぱり家に来ないでくれって言うだけだ」