第12章 尾行ブラザーズ
「おそ松やブラザー達が言えないならオレが言うだけだ、幸いブラザー達の中でもトト子ちゃんのオレへのあたりが一番キツかったしな、今更だろ?フッ…このオレが甘んじてトト子ちゃんに嫌われてやろうじゃないか☆」
「ウザッ…そんなのクソ松一人の株が上がるだけじゃん、絶対阻止…お前だけにいいかっこさせるかよ…おれも付き合うよ…」
「トト子ちゃんには悪いけどぼくもっ!!」
「どう考えても今のままじゃなみえちゃんの中の僕達への不信感が増すだけだからね、僕もかな」
「あー…これはどう天秤に掛けたってなみえちゃんに傾くよねー、ボクも兄さん達に続くよ♪おそ松兄さんはどうするの?」
「あっ?俺はさっきから言ってるだろ?なみえちゃんの方がいいってさぁ、長男である俺が矢面に立たないでどうするんだっての、カラ松にばかりいいかっこはさせないよ?ってことでトト子ちゃんには悪いけど俺もきっぱり言うよ」
六人は顔を見合わせ頷く。
夢《あ…もうこんな時間かぁ…》
A《あんまり遅くなると心配させちゃうんじゃない? そろそろ帰らなきゃね》
夢《うん…》
店から出て駅方向へ歩いていく二人を尾行する、家に帰りつくまでまだまだ油断出来ないのだ。
夢《A子、今日はありがとうね》
A《こっちこそ久々になみえと話せたし楽しかった♪》
夢《私も楽しかったよ♪》
A《なみえ、困った事や相談ならいつでも聞くからさ、なんでも独りで抱え込まないで頼ってくれていいんだからね ?》
夢《フフ♪その時はまたこうやって付き合ってもらっちゃうよ》
A《 もっちろんだよ!日も落ちて来てるから帰りは気を付けて帰るんだよ》
夢《A子こそ気を付けて帰ってね》
A《大丈夫、私はあんたほど危なくないわよ 、じゃあまたね!》
夢《うん!またね!》
手を振り駅の中へ消えていくA子を見送りながらなみえが呟く。
夢《なんでも…か……さすがに話せない事もあるんだよ…ごめんねA子……はぁ~…帰ろ、にしても買いすぎちゃったか
な…荷物重っ!!…》
多めの荷物を持ち直しヨタヨタと家の方角に歩きだしたなみえを見て六つ子はホッと息をつくと目を合わせ頷き合う、ほっかむりをとり先回りするため裏道を走る。
さも家から迎えに来ましたという体を装う為に。