第2章 女の子は脆いんだから
掛け布団を剥ぎ、いきなりなみえのパーカーを脱がそうとするおそ松の頭にカラ松の拳骨が降り下ろされた、松代から受けたタンコブの上にもう1つタンコブができた。
「痛ってーっっ!!何すんだよカラ松ぅ~!?兄ちゃんの善意を無駄にするなよな!!」
「うるさいぞ、おそ松!!何が善意だ、お前の場合は下心だろうが!!」
「もうやめなよ兄さん達、じゃあ、どうすんの?何もしなかったら痛い思いするのはなみえちゃんだよ?」
「そうだね、喧嘩してる場合じゃない、早く貼ってあげないと、常識人のぼぼぼ、僕が貼ってあげてもいいけど////」
「おれ、救急箱持ってくる、湿布入ってたはずだから…」
一触即発の四人を一瞥すると、一松が立ち上がり救急箱を取りに行く。
睨み合いが続く中でダークホースが動いた。
「おっぱーい!!!デッカイね!!!」
ハッと四人が振り向くと、どうやって脱がせたのだろうか、なみえのパーカーをダルダルの袖で持ち、立っている十四松がいた。
掛け布団はおそ松が剥いでいたので今のなみえの姿は、膝上ニーソとあられもない下着姿だ、五人の目が釘付けになる。
一瞬の静寂の中にポタリ…鼻血が垂れた音がした、それを合図にフラフラとおそ松が動く、さながらゾンビのようだ、我にかえったカラ松も動く。
「へっへへへ…おっぱいがこっちにおいでって誘ってるよ~ぉ」
「だからさせるかぁっっ!!サンクチュアリにたわわに実りしヴィーナスの果実には触れさせん!!」
「イッタイよねーっ!!てか、これどうすんのぉぉーー!!て、シコ松兄さん鼻血出してる場合じゃないよね!?ツッコミ放棄しないでっっ!!」
「ちちち、ちょっとトイレ行ってくる…」
鼻を押さえながら前屈みになり、そそくさとチョロ松は居間を出ていった。
おっぱいを見たい、触りたい欲求はあったが、チョロ松を見てああはなりたくない、と逆にトド松は冷静になれた。
同じ姿勢のまま、なみえを観察している十四松に向かってトド松は静かな声音で言った。
「十四松兄さん、おそ松兄さんに卍固め」
「アアアア!!!痛い痛い痛い、ギブギブギブギブッッ!!やめて、十四松ぅ~!!!」