第12章 尾行ブラザーズ
六つ子に聞かれているとも知らずに二人の会話はただの雑談に入る。
「なぁ…なみえちゃんてそんなにお嬢様だったの?てか俺達知らないうちに逆玉だったのっっ!?」
「フム…法事ではそこまでの事は聞いてないからな…」
「なるほどね…養子じゃなくて後見人って言ってた意味がやっと分かったよ…会社か…肩書きだけ欲しいね」
「こんなおれ達養ってくれるって…女神かよっ!!」
「ぼく達ずっとニートでいいのっ!?」
「あぁ~…兄さん達がこれだもん…父さん達が隠したがるわけだよね、まっボクもだけどね♪逆玉とか何それおいしいっ!!」
「ありゃりゃ…俺達からますます逃げられなくなったねぇ?なみえちゃん?まぁ彼女はそんな気更々ないみたいだけどね♪それと俺達はこの話は知らないって事にしといた方がいいだろうな、お前ら普段通りに振る舞えよ?」
「おそ松…お前の顔が一番ゲスいぞ?オレはなみえがいれはそれでいい!相続がどうのは関係ない、大好きなオレの大事なプリンセスだからな♪ゲスな事考えてるbrother達と一緒にするんじゃない、このクズ」
「チッ…いい人ぶるんじゃねぇぞクソが、おれだって彼女が好きなんだよ、逆玉なんて偶々ついてくるおまけ感覚に決まってんだろうが…」
「そうだね…元々知らされてない話だったし、まだ先の事みたいだからね、僕だって好きな気持ちは変わらないよ?でなかったら始めからめんどくさい尾行なんてしないよ」
「アハハッ!!ぼくも先の事はわかんないと思うっ!でもなみえちゃんは大好きっ!守ってあげたいっ!!」
「ボ、ボクだってなみえちゃん好きだよっ!美人可愛いし色んな意味でおいしい子だけどさ、それだけじゃないってのもわかってるからねっ!」
「あ…ほら…二人が店出たよ…」
店を出た二人は買い物でもするのかショッピングモールのある方へ歩いていく。
六つ子も付かず離れずの距離で尾行する。
二人は雑談しながら歩いていく、ふいにピタリと足の止まったなみえにA子が振り返る。
A《んっ?なみえ?どうしたの?》
夢《……………》
「あり?なみえちゃん?」
「ちょっ!見てっ!前から歩いてくるのあれ…トト子ちゃんだよっ!?」
「本当だっ!トト子ちゃんだ♪」