第12章 尾行ブラザーズ
暇潰しでもするのだろう、あからさまにナンパ野郎の数が減っている。
「スゲー破壊力だなあのクソップスマホ♪こんなところで役に立つとか、カラ松の痛さに感謝しなきゃな~♪」
「えっ?」
「本当だね、あのクソップスマホはある意味虫除けだね」
「えっ?」
「………無性に壊したくなるけどね…」
「えっ?」
「なみえちゃん、今はスゲー痛い人だねっっ!!」
「えっ?」
「ボク見るのも触るのも嫌だったけど、あのイッタいスマホの事少し見直したわー」
「えっ?」
「あっ、おい見ろ友達ってあれじゃねぇか?」
おそ松が指差した先にはカップルの女性がなみえに手を振りながら近付く。
(盗聴器の会話、なみえ→夢、A子→A 、モブ男→モ)
夢《A子!久しぶり~♪》
A《なみえ!元気そうだね!!》
夢《アハハ♪A子もね~元気そうで何よりだよ》
A《えっと、紹介するね////私の彼氏のモブ男だよ》
モ《あっ…えっと…モブ男です、よろしく////》
夢《初めまして♪なみえです》
A《ねぇ?こんなところじゃ落ち着かないからどこかでお茶しながらお互い最近の近況報告しようよ、ね、モブ男もいいでしょ?》
モ《えっ?あっああ、うん…》
移動するなみえ達を見ながらおそ松が呟く。
「気に入らねぇなあいつ…挨拶してからずっとなみえちゃんを見てやがる、典型的なモブ顔のくせに…彼女よりもその友達から視線を外さないってどうなのよ?」
「それボクも思った、女友達の多いボクの経験から言わせてもらうならあれは彼女よりもその友達に惚れたパターンだよ、モブ顔のくせに図々しいよね~」
「あのA子ちゃんだっけ?あの子もそこそこ可愛い顔してるけど、まぁ僕達のなみえちゃんに比べたら霞んじゃうからね、仕方ないって感じかな」
「アハッ!!あいつ、ボールにしてもいいかなぁっ!!?」
「殺す…」
「どちらにしてもなみえのハートもボディも傷つけるような不埒野郎ならオレが制裁を与えるまでだ」
なみえ達はカフェテラスに座った、おそ松達は集音器で拾う会話を聴きながら観察する。
A《なみえって今は念願のカラ松お兄さんと住んでるんでしょ?どう?何か進展あった?》
モ《誰?なみえさんのお兄さん?》