第12章 尾行ブラザーズ
受け取って今日付けて行ってもらわないと意味がないのだ。
「それともオレ達からのプレゼントなんて…いらないか?」
眉毛を下げシュンと項垂れるカラ松になみえは抱き付く。
「そんな事ないっ!!ごめん…ごめんなさい!私ったらお兄ちゃん達を疑ってた…私の事で相談て、直接聞いてくれればいいのに…」
「アハハーッ!サプライズだもんねー!!」
「いいから、付けてみなよ…」
「オレが付けてやるな♪」
カラ松はなみえの右手をそっと持ち上げるとスムーズにブレスレットを付ける。
なみえはじっとブレスレットを見つめ愛しいとでも言うようにブレスレットを撫でる。
『お兄ちゃん達…ありがとう、大事にするね』
なみえは六人を見て頬を染める、目に涙が溜まっているがそれはもう嬉しそうに、蕩けるような笑顔で礼を言う。
〈〈〈〈〈〈ごめん!でもかんわいい~っっ!〉〉〉〉〉〉
六人は素直に喜ぶ彼女を見て罪悪感が少々湧く、だがこれで好きな時に行動や言動が把握出来る安心感の方が上だった。
朝食を済ませると二階へ上がり着替える。
最近新しく加わった六つ子服のイメージカラーのジャージ、下は其々がいつものジーパン等で上着だけだが、左胸に小さく松マーク、背中に大きな松マークに一本線の白いライン、やはりそれも皆個性で着こなしている。
「ちょっとっ!カラ松兄さんっ!今から隠密行動するのになんでそんな目立つ物履くのっ!!バカなのっ!!」
「フッ……いかしてるだろう?」
「いかれてるの間違いじゃないの……やっぱクソだね…おれの目が腐りそう…」
トド松が指摘したカラ松のズボンはスパンコールがキラキラ目に痛い細身のズボンだ、ジャージの上着にその組合せは最強最悪だ。
「おいカラ松、お前のその痛いズボンのせいでバキバキに折れた兄ちゃんの肋は置いておくとして、そんな目立つ物でなみえちゃんにバレて嫌われたらどうするんだよ、いい子だから今日は大人しくぴちぴちのスキニージーンズを履いてなさい、痛いのはサングラスとドクロのベルトまでな?これはお兄ちゃん命令です!」
いつもは笑って傍観するおそ松も今日はピシャリと言い放つ。
「えっ…?わ、わかった…」
比較的外に出る理由をつけやすい一松、十四松、トド松の弟組が外で待機なのでなみえに声を掛けて外へ出ていった。