第12章 尾行ブラザーズ
起きた十四松を交えて計画と言うほどでもない計画を決める。
怪しまれないように先に出掛けて外で待機組、見送り組と別れて後をつけながら合流の流れだ。
この時おそ松がある物をカラ松に託す、盗聴器&発信器の搭載された、見た目はお洒落なブルーの石にシルバーのブレスレットだ、六人分の、見た目は小型の補聴器タイプの盗聴用の集音器付きだ。
なみえを交えた兄弟会議の後、彼女の行動把握の為におそ松がデカパン博士に頼んで造ってもらった代物だ。
皆からのなみえへのプレゼントの相談でトト子に会っていたと言えば彼女は素直だからあっさり信じて誤解も解ける、そしてカラ松が代表で渡すほうが喜びも倍増だ、尚且つなみえの行動が逐一把握出来る、なんともおそ松らしい悪知恵だ。
六人は下に降りて顔を洗うといつも通りに居間に入る。
『お兄ちゃん達、おはよう♪朝ご飯出来てるよ!』
台所から顔を覗かせ機嫌よく朝の挨拶をするなみえに皆がそれぞれ挨拶する。
六つ子ならではのアイコンタクトと謎のテレパシーの様なもので、大体お互い何を言いたいか分かる彼等だ、おそ松はカラ松を見る。
〈おいカラ松、次なみえちゃんがこっち来たら例の物渡せよ〉
〈フ…任せろおそ松!〉
〈ちゃんとスムーズに渡せ、怪しまれるなよ!フォローは俺もするからな〉
〈本当、おそ松兄さんて悪知恵だけはまわるんだから〉
〈でもまぁこうでもしないと人一人の行動なんて中々把握出来ないよね♪あっおそ松兄さん醤油とって〉
〈そこは口で言えよ!〉
端から見れば、静かな朝の食卓だ、だが六つ子達の間では会話が成立するのだ。
『お兄ちゃん達、私そろそろ出掛ける用意するから、食べ終わったら洗い物は浸けておいてくれていいからね』
「なみえ!ちょっといいか?」
『何?カラ松お兄ちゃん?』
「これ…オレ達六人からお前へのプレゼントなんだ、受け取ってくれるか?」
「そうそう♪何をプレゼントしたら喜ぶか、俺達女の子との接点無さすぎてさぁ同じ女の子だからトト子ちゃんに意見聞いたりして、んでそれにしたんだよな♪」
「なみえちゃんに似合あうはず、僕達からの御守りみたいな物かな、今日付けて行きなよ」
「ブルー系の色好きだったよね?石の色もブルーだもん、シルバーだから何にでも合うよ♪」