第5章 No.4 ちょっとだけ。
轟「親父を────・・・」
緑谷「君の!」
零无「・・・!」
緑谷「力じゃないか!!」
───他がどうこう言おうと、親から受け継いだ“個性”じゃなかったとしても・・・お前はお前だろ。零无。
ゴオ・・・ッ
ずっと昔に、本当のバケモノになりかけてた時。
しょーさんに言われた言葉が、鮮明に思い出された。
それと同時に、熱気が会場に流れる。
・・・これって・・・。
轟「勝ちてえくせに・・・・・・・・・・・・ちくしょう・・・。
敵に塩送るなんて、どっちがフザけてるって話しだ・・・。
俺だって、ヒーローに・・・!!」
・・・・・・・・・轟くん、笑ってる。
・・・そっか。
緑谷くんは、轟くんを救おうとしてたんだね。
エンデ「焦凍ォオオオ!!!
やっと己を受け入れたか!そうだ!!良いぞ!!
ここからごお前の始まり!!
俺の血をもって俺を超えて行き・・・俺の野望をお前が果たせ!!」
何やら物理的に燃え上がりながら、エンデヴァーさんが観覧席から轟くんに向けて叫ぶ。
・・・・・・まあ当たり前っちゃ当たり前だけど、轟くんはシカトした。
緑谷「凄・・・・・・」
轟「何笑ってんだよ。
その怪我で・・・この状況でお前・・・・・・イカレてるよ。
どうなっても知らねぇぞ」
その言葉を皮切りに、2人が攻撃態勢に入る。
・・・いやいやいや緑谷くん、さすがにそろそろヤバくない?
轟「緑谷。
ありがとな」
レフェリーストップと言うところかな。
止める役割で待機していたセメントス先生が2人の間にコンクリートの壁を、審判のミッドナイト先生が霧みたいなのを身体から出す。
WHAKOOOOM!!!!!
・・・ッゴオオオ・・・!!
熱気と冷気が混じった爆風が、会場全体に吹き荒れる。
すぐ後ろから峰田くんの「何コレェエ!!!」と言う声が聞こえてくる。
私は私で爆風に吹かれた前髪で視界が遮られかけた。
でも本当に凄い。
ヘタすれば台風並みの風速だ。
セメント「威力が大きければ良いってもんじゃないけど・・・・・・すごいな・・・・・・」
マイク『何今の・・・。おまえのクラス何なの・・・・・・』
相澤「散々冷やされた空気が瞬間的に熱され膨張したんだ」