第5章 No.4 ちょっとだけ。
切島くん対、鉄哲くん。
引き分けだったから、今度は腕相撲で勝敗を決めるそうだ。
んー、ダダ被りだから尚更大変だよね。
で。
切島「んんんんんんんんんんんん」
鉄哲「んんんんんんんんん゛っ」
グググググググ・・・
切島「ガァ!!」
ガン!!
マイク『引き分けの末、キップを勝ち取ったのは切島!!』
接戦を制したのは、切島くん。
鉄哲くんはorzの体勢になりながら「金属疲労が・・・!」とか「もっと鉄分を」とか言ってる。
その後、2人はお互いに握手を交わした。
うん、この2人・・・見てると飽きないわ。
・・・さて、問題は次。
ワケありな轟くん対、これまたワケありな緑谷くん。
零无「(はたから見たら、実力派な轟くんが有利なのは明確・・・。
でも・・・緑谷くんの“個性”はオールマイト先生から受け継いだ、完璧に制御出来ればある意味無敵のワン・フォー・オール・・・)
・・・って言うか、凄い今更なんだけどさ」
耳郎「ん?」
零无「轟くんって、なんか観客席を気にしてるよね?」
蛙吹「そう言えばそうね・・・」
飯田「それは恐らく、プロヒーローNo.2のフレイムヒーロー・エンデヴァーを気にしていると思うぞ!
騎馬戦の時にエンデヴァーらしき人物を睨んで奴の前で左は使わない、と言っていたしな」
零无「ふーん・・・」
半分氷で半分熱だから、もしかしてエンデヴァーさんの“個性”を半分受け継いでるのかもって思ったけど当たりだったみたい。
って事は、轟くん・・・個性婚で産まれたのか。
上鳴「おっ、2人とも出て来たぜ!」
その声に、目線を会場に向ければ緑谷くんと轟くんが向き合っていた。
・・・頑張れ、2人とも。
試合が始まる前に麗日さんが戻って来る。
その目はかなり腫れてる。あー・・・やっぱ泣いたのか。
麗日「あ、零无ちゃん!」
零无「ん?」
麗日「花、ええ香りやった!」
零无「・・・そっか、役に立てたなら良かった」
麗日「うん、ありがと!」
にぱ、と笑顔を向けてくる麗日さん。
・・・取り敢えず、大丈夫そう・・・かな?