第5章 No.4 ちょっとだけ。
side:麗日
パラパラと、爆豪くんが爆破して粉々にした石の欠片が落ちる。
よろ・・・とよろけながらも、なんとか立ち上がる・・・けど。
私の今出来る最大限・・・!!
全く通じへんかった!!!
麗日「うう゛・・・」
爆豪「いいぜ。
こっから本番だ、麗日」
ギン、と爆豪くんが眼光を鋭くさせる。
ここまでは本気じゃなかったんや・・・。
・・・でも・・・。
麗日「(それでも!!!)」
ぐっと足に力を込めて、走り出した。
つもりやった。
カク・・・
・・・っ、あかん。
これから、なんに・・・!
身体に力が入らなくなって、私はその場に倒れ込んだ。
麗日「ハッ・・・。・・・ハッ。
んのっ・・・体、言う事・・・聞かん・・・」
ググ・・・と力を入れようとしても、言うことを聞いてくれへん身体。
・・・許容重量・・・オーバー・・・。
審判のミッドナイトさんが私の元へやって来る。
っ・・・。
ズリ・・・
ズリ・・・
麗日「まだ・・・。
〜〜〜〜〜〜・・・、父ちゃん・・・!!」
ミッド「・・・・・・・・・。
麗日さん・・・行動不能。
二回戦進出、爆豪くん────!」
告げられたその言葉に、私は悔しさと疲労感が一気にせり上がってきたのを感じた。
その後、すぐにロボが担架を持って来て私はリカバリーガールの元へ運ばれた。
[雄英高校・出張保健所]
麗日「(・・・ほんま、悔しいなあ。
・・・あかん、気ぃ緩めたら泣いてしまう・・・)」
リカバリーガールに治癒されてる間、私はぐっと泣かんように堪えてた。
そこに、ふと嗅ぎ慣れない香りが漂ってる事に気づいた。
麗日「・・・?
あの、リカバリーガール・・・これ何の臭い・・・?」
リカバ「ん?
ああ、あんたと同じクラスの零无に生やしてもらったリラックス効果の高い花だよ。なんでも勝ち負けに関わらず、なるべくリラックスして次に進んで欲しいって言ってたねえ」
零无ちゃんが・・・。
・・・ふふ、なるべくリラックスて・・・。
悔しがってる時にリラックスも何も無いと思うんやけどなあ・・・。
でも。
少しだけ、気が楽になった気がする・・・。
ありがと、零无ちゃん。