第5章 No.4 ちょっとだけ。
「!」
相澤『シラフで言ってんならもう居る意味ねぇから帰れ。帰って転職サイトでも見てろ』
緑谷「相澤先生・・・!?」
相澤『ここまで上がってきた相手の力を、認めてるから警戒してんだろう。
本気で勝とうとしてるからこそ、手加減も油断も出来ねえんだろが』
しょーさんのその言葉に、やっぱしょーさんは生徒想いだなって実感した。
実況席に目を向ければ、しょーさんと目が合う。
相澤『・・・それから、殺気ダダ流ししてる奴は落ち着け。気持ちは解るが周りビビらせんな』
あ。バレてた()
観客に向けていた殺気を、すっと抑える。
麗日「そろそろ・・・か・・・な・・・ありがとう爆豪くん・・・。
油断してくれなくて」
ぴと
爆豪「あ・・・?」
突進し続けたからなのか、麗日さんの顔色が悪いようにも見える。
うん、たしかに浮かせられる“個性”でも無限に浮かし続けるのは無理だ。
だとしたら・・・。
耳郎「え・・・お茶子、何するつもり・・・?」
零无「麗日さんと対峙してる爆豪くんの距離ならキツいかもだけど、客席に居て尚且つ気付かずにブーイングしてたプロの人は恥ずかしいよねー」
耳郎「え?」
零无「ずっと低姿勢の突進・・・爆豪くんの打点と視点を下に集中させ続けられたから、麗日さんは武器を蓄えられた。
だからこそ、絶え間無い突進と爆炎で視野を狭めて・・・悟らせなかった」
上鳴「悟らせなかったって、何をだ?」
零无「ん」
私が視線を上に向ければ、それは降り注いだ。
麗日「勝あアアァつ!!!」
マイク『流星群ー!!!』
相澤「気付けよ」
いくつもの大小様々なコンクリートの破片が、爆豪くんに降り注ぐ。
捨て身だ。
そりゃ、少しくらいは隙が出来るかもしれないけど・・・。
BOOM!!!!
「「!!」」
爆豪くんの、盛大な爆破が降ってきた流星群をまとめて吹っ飛ばした。
・・・マジかよ。
ドッ、ダッと麗日さんが転げる。
爆豪「デクのヤロウとつるんでっからな、てめェ。
何か企みあると思ってたが・・・」
麗日「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ・・・一撃て・・・」
マイク『会心の爆撃!!
麗日の秘策を堂々───正面突破!!』