第5章 No.4 ちょっとだけ。
零无「・・・何か、解るの?
死柄木について」
ゼウス「いいや、事細かな個人情報や死柄木弔の目的などは解らぬ。我が主が死柄木弔の事を、深くまで知り得たいと思って触れぬ限りは我にもその見聞は伝わらぬ」
零无「・・・そっか。
あの時私から触れてないし、逆に触れられただけだったからなー・・・」
ゼウス「・・・だが、我の理解が及んだ情報はある」
零无「え、マジか」
ゼウス「マジだ。
・・・まず、死柄木弔の“個性”。
あれは“崩壊”と言って、五指が全て対象に触れるとその対象を崩し壊す。・・・我が主も、体験しただろう?」
零无「・・・・・・うん。
あれはびっくりした」
ゼウス「うむ、あれには我も驚かされた。
我は神だから効かぬが、人間の我が主には相当なダメージだったろう」
零无「・・・物理的に生殺しされてるようなもんだった。
それにしても、“崩壊”ね・・・他人のこと言えたもんじゃないけど、物騒な“個性”だこと」
ゼウス「はは、言ってくれるな我が主よ。
・・・そしてもうひとつ、“鍵”についてだ」
“鍵”。
・・・何かを開け閉めする鍵とは明らかに違うよね。
零无「一応確認だけど、ドアとか扉とかの錠を開ける鍵って意味じゃないよね?」
ゼウス「近からず遠からず・・・だな。
“敵”連合は“魔法”と言う名前に、やけに固執していたように見えた。“魔法”のいずれかの力で何か・・・連合が目的達成の為に必要不可欠な“欠如している何か”を、補おうと考えているのやもしれぬ」
零无「欠如・・・“敵”連合が、補おうとしてる・・・ね」
ゼウス「・・・ソレが何かは、特定するには情報が足らぬ。
だが、逐一警戒は怠らぬようにした方が良いだろうな」
零无「んー・・・まあ、顔と“個性”バレちゃってる訳だしねぇ」
ゼウス「それもあるが・・・恐らく死柄木弔は、我が主が自分に恐怖すると既知している」
零无「え。・・・あー・・・」
・・・言われてみれば、確かに。
アイツ、私が痛みで悲鳴上げてたのを嬉しそうにしてたよね・・・。
無意識に怖がってたのか、私。