第5章 No.4 ちょっとだけ。
喜怒哀楽が欠けてる私だけど、怖いとかの感情はある。
・・・人間誰しも、1回根付いた恐怖心って余程の事じゃないと克服出来ないよね。
零无「・・・・・・って。
まさかとは思うけどあっちの“個性”の方も連合に知れてたり・・・?」
ゼウス「どうだろうな・・・解っていた上で狙い澄ませて恐怖心を狙ってきたのか、それとも偶然か・・・。
・・・兎にも角にも、連合・・・特に死柄木弔には用心しておくに越した事はないだろう。奴は、危険だ」
零无「・・・うん、解った。
覚えとくよ。ありがと、ゼウス」
ゼウス「うむ。
・・・ところで我が主よ。雄英は楽しいか?」
楽しいか、か。
・・・そんなの、聞かなくてもゼウスしか解らないくせに。
零无「・・・それを私の喜怒哀楽を持ってるゼウスが聞くの?」
ゼウス「ははっ、それもそうよな。
我が主の感じている喜怒哀楽は、明確に我の中に在るぞ。
特に耳郎響香や上鳴電気・・・それに親しき間柄の相澤消太と会話している時に楽しさが伝わってくる」
零无「うん、クラスのみんなと喋ったり一緒に居るのは飽きないし・・・しょーさんとは気を許せる間柄?みたいな感じだし・・・。
多分、楽しいんだと思う」
ゼウス「うむ、楽しい事は良き事だ。
・・・そうだ、我が主よ。ついさっきカオスを唱えただろう?
その事がよほど嬉しかったらしくてな、和の神達に自慢していたぞ」
零无「え。
なにそれ、私の“魔法”って和神には影響が及ばないんじゃなかったの・・・?」
ゼウス「超常現象が日常の世界だ。
その超常現象に、我ら神の系譜が当てはまるのならば・・・そう言う事なのだろう」
零无「えー・・・。
・・・て事は何、私は更にバケモノランクが上がったの・・・?」
ゼウス「はっはっは、負け無しだな。
良き事だ♪」
零无「神様の能力振りかざす人間のどこが良いと・・・!?
・・・・・・はぁー。まあ、そーなっちゃったんなら仕方ないか・・・。・・・うん、解った。使える場面になったらその都度洋神と和神を呼ぶよ」
ゼウス「ああ、そうしてくれ。
・・・では、そろそろ目覚めた方が良いだろう」
零无「ん、そーする。
・・・じゃ、またね」
ゼウスに手を振られるのを横目に、私は目を閉じた。