第5章 No.４ ちょっとだけ。

１回戦第１試合目、緑谷くん対心操くん。

私は見様見真似でやるタイプだから、いざと言う時の為にみんなの戦闘スタイルを見ておこう･･･と、思ったんだけど･･･。


リンッ


零无「！」




久々にあの音が聴こえた。

･･･ちぇー、見たかったのに。

耳郎さん達に席を外すと伝えてから、私は観覧席を後にした。
その途中の廊下で、目立つ人と会う。




「む･･･君は･･･」

零无「･･･？」

「確か、Ａ組の神和くんだったか」

零无「･･･あ、フレイムヒーロー・エンデヴァー･･･さん、？」

エンデ「さすがに知れているか･･･。
･･･そうだ、急いでいないならばいくつか質問してもいいかね？」

零无「？いいですけど･･･」

エンデ「君は、個性婚で産まれたのか？」

零无「･･････多分違うと思いますけど」

エンデ「多分･･･？
個性婚ではないのに、他とは逸脱した“個性”を持って産まれたと言うのか？」

零无「逸脱した“個性”を持って産まれてスミマセンでしたね。
生憎、バケモノ呼ばわりされるのは慣れてるので」

エンデ「はっは、バケモノときたか」

零无「･･･“個性”に固執してるのか強さに固執してるのか知らないですけど、強い“個性”だけ持っててもつまらないだけですよ」

エンデ「･･････」

零无「･･･それじゃ、私はこれで」




黙っちゃったエンデヴァーさんと別れる。
･･･オールマイト先生とは違った迫力だったな。

そして向かった先はと言うと･･･。



［雄英高校・スタジアム実況室］



コンコン、ガチャ


零无「失礼しまーす」

マイク「ん？
Ａ組の神和じゃねーか、どうした？」

零无「あー、用事出来まして。
相澤センセ、私の番近くなったら起こしてくれます？」

相澤「あ？
･･････呼ばれたのか」

零无「うん」

相澤「･･･解った、じゃあお前の番の前の試合が終わりそうになったら起こす。
それと、もう敬語外して喋れ」

零无「あ、そう？
解った。それじゃあ取り敢えず･･･お休みー」




しょーさんに許可も貰った所で、実況室の壁際に設置されてる簡易ソファーに寝そべって目を閉じた。