第4章 No.3 おなじだけどちがう。
[雄英高校・特設スタジアム]
マイク『どうせてめーらアレだろこいつらだろ!!?
“敵”の襲撃を受けたにも拘(かか)わらず、鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!
ヒーロー科!!1年!!!
A組だろぉぉ!!?』
マイク先生の見事な盛り上げ司会からスタート。
1-Aの私達が入場すると、わー!と歓声がスタジアム全体に響いた。
・・・うっさ。
轟「・・・あからさまに顔に“うるさい”って書いてるぞ」
零无「だってうるさいんだもん。
あー・・・イヤフォン付けてたら少しは良かったのに・・・。
てか、おはよ。轟くん」
轟「おお。
・・・本気、出すそうだな」
零无「んー、まーね。
轟くんこそ緑谷くんに宣戦布告してたみたいだけど?」
轟「・・・まあな。
言っておくが、おまえにも勝つつもりだからな」
零无「え」
ピシャン!
「選手宣誓!!」
まさかの轟くんの言葉に軽くキョトンとする。
すると前振りも無しに女の人の声が聞こえて来た。
えーと、あれはミッドナイト先生か。
客席やら1年生やらがミッドナイト先生の登場に軽く騒ぐ。
それにまたピシャン!と鞭を振るミッドナイト先生。
ミッド「静かにしなさい!!
選手宣誓!!
1-A、爆豪勝己!!」
名前を呼ばれて、台の階段に向かう爆豪くん。
緑谷「え〜〜、かっちゃんなの!?」
瀬呂「あいつ一応、入試一位通過だったからな。
神和も同率一位通過だけど、めんどいとかでパスしたっつってたぜ」
零无「うん、だるいしね」
緑谷「あはは・・・安定だね神和さん」
爆豪「せんせー」
はてさて、爆豪くんの事だからちゃんとやるとは思えないよね。
爆豪「俺が一位になる」
切島「絶対やると思った!!」
零无「あはは、さすが爆豪くん」
沸き起こるブーイング。
そんな彼らに、爆豪くんは振り向いて言った。
爆豪「せめて跳ねの良い踏み台になってくれ」
ほんと、見てて飽きないね爆豪くん。
笑い飛ばしながら言うと思った。
笑ってないって事は、自分を追い込んでるのかな。
まあ私達A組を巻き込んでるのには変わりないんだけど。