第4章 No.3 おなじだけどちがう。
side:爆豪
ホームルームが終わってから、俺は呑気にあくびをしてやがるマジョ女に近づいて声をかけた。
爆豪「おい」
零无「んー?
あ、爆豪くん。どしたー?」
爆豪「てめェ、体育祭でも本気出さねえつもりかよ」
零无「え、唐突だね・・・。
その時々によって本気になるかならないか、気まぐれかな」
爆豪「・・・言い回しがウゼえんだよ。
もっとハッキリ言えやマジョ女」
零无「うっわ、ドストレートな言葉・・・。
んー、そだね・・・今の所は無いよ?」
爆豪「てめェ・・・」
零无「わー、答えただけなのに睨まないでよ。
え、逆に聞くけど・・・なんで爆豪くんはそんなに強さに固執してるんだい?」
爆豪「ア?
んなもん、完膚なきまでの最強のヒーローになる為に決まってんだろ」
ハッキリとそう言ってやれば、マジョ女はキョトンと俺を見てきやがった。
・・・チッ、ンだよコイツ・・・。
零无「・・・ふーん」
爆豪「ふーん、って・・・馬鹿にしてんのかコラ」
零无「いや馬鹿にはしてないけど。
・・・ま、そだね。本気で戦ってる人に対して失礼だし・・・もしタイマン形式の種目とかあって、爆豪くんと当たったら出すよ。本気」
今度はこっちがキョトンとした。
どうせ「本気出すと疲れるー」とか曖昧な答えがくると思ってた。
零无「まー、体育祭まで2週間あるしね。
やってみたい技もあるし・・・乞うご期待ってやつ?」
爆豪「・・・はっ、上等だ。
本気のてめェをぶっ倒してやるよ・・・!」
零无「おー、言うねー。
それじゃ当日楽しみにしてるー」
その言葉、忘れんなよ。と言って俺は自分の席に戻った。
この1-Aで、間違いなく女子の最強はコイツ。マジョ女だ。
男子の最強はもちろん俺・・・と言いたい所だが、半分野郎やデクも相当やれる。
・・・面白くなってきやがった。
体育祭で、この前の負かされた借りを返す。
完膚なきまでに完璧な結果で1位になって、優勝する。
その為には2週間後の体育祭・・・絶対にマジョ女に勝つ。