第3章 No.2 器物損壊・個人情報盗難・不法侵入
零无「え」
中央広場。
水難ゾーンにはなんか知らないけど敵がくっついてたからそのまま無視した。
問題は、中央広場だ。
物陰に隠れて様子を見る。
しょーさんが戦ってた場所。
雑魚を、蹴散らしてた場所。
なんで・・・。
・・・なん、で・・・・・・。
「対・平和の象徴改人“脳無(のうむ)”」
気味の悪い巨体。
剥き出しの脳みそ。
脳無と呼ばれたソレは、ボロボロになったしょーさんの背に馬乗りになって右腕をへし折っていた。
・・・・・・ッっ・・・!!!
ダメだ、声出すな・・・。
奴らの狙いは、ここに居ないオールマイト先生とここに居る私。
出て行けば確かに奴らの注意は私に向くかもしれない。けど・・・・・・でも・・・っ!
「“個性”を消せる・・・素敵だけどなんてことは無いね。圧倒的な力の前では、つまりただの“無個性”だもの」
ス・・・
グシャ
相澤「ぐぁ・・・!!
(小枝でも居るかのように・・・!!
身体の一部でも見れば消せる・・・!つまり、素の力がコレか!
オールマイト並みじゃねぇか・・・)」
グイ・・・
ゴッ!!
左腕も・・・折られた・・・!
・・・頭も、地面に叩きつけられてる・・・。何度も・・・何度、も・・・!
くそ・・・クソっ・・・!!!
ダメだやめろ、やめろ・・・!!
ズズズ・・・
「死柄木(しがらき)弔(とむら)」
死柄木「黒霧(くろぎり)。
13号はやったのか」
モヤ“敵”が出て来る。・・・こっちが黒霧って名前で、手の“敵”が死柄木弔って名前らしい。
どうやら黒霧が1-Aの誰かを逃がしたらしく、それを聞いた死柄木がイラつき始めて首をガリガリと掻き始めた。
死柄木「ゲームオーバーだ。あーあ・・・。
今回は、ゲームオーバーだ」
掻くのをやめて、「帰ろっか」と呟く死柄木。
まるで玩具に興味が無くなったみたいに、呟いた。
帰るならさっさと帰れよ・・・。
速く、しょーさんを手当てしないと・・・っ。
焦りばかりが募る。
死柄木「けどもその前に、平和の象徴としての矜持を少しでも・・・」
グア・・・
死柄木「へし折って帰ろう!」
水ばの所に居た蛙吹さん達の目の前に一瞬で移動する、死柄木。
・・・・・・もう、無理だ。