第3章 No.2 器物損壊・個人情報盗難・不法侵入
side:相澤
雑魚達を相手にしながら、リーダー格らしき手の“敵”がまた現れた事に違和感を覚えた。
相澤「・・・・・・・・・?
(・・・なんだ、あいつ・・・。最初に出て来た時よりも・・・ダメージがある)」
仲間割れ・・・十分ありえる話だが、奴にダメージを負わせられるような“敵”は居ないはず。
あのワープゲートの奴・・・は13号の所だから無理か。
・・・だとしたら一体・・・。
「・・・あー・・・」
相澤「(くるか・・・?)」
グオ・・・ッ
「23秒」
相澤「本命か」
バシッ
「24秒。20秒・・・」
相澤「!!
ちっ!!」
手の“敵”に捕縛武器を投げるが、それを掴まれる。
やっぱそう簡単にはいかねえか。
ダッ
「17秒」
ガシ、グイッ・・・
ドス
手の“敵”が掴んだ捕縛武器をもう一度掴んで、それを引っ張った反動で肘鉄を食らわせる。
・・・どうだ?
「・・・動き回るので解り辛いけど、髪が下がる瞬間がある」
相澤「!」
ボロ・・・ボロ・・・
「一アクション終えるごとだ。
そしてその間隔は段々短くなってる。
・・・無理をするなよ、イレイザーヘッド」
ボロ、ボロ
相澤「ーーーっ!!」
CRACK!
バッ・・・
ドサ
相澤「(肘が・・・崩れた!)」
コイツ、どう言った“個性”だ・・・?
触れただけで崩す“個性”なのか?
奴と距離を取り、その隙を見計らって掛かってきた雑魚を散らす。
「その“個性”じゃ・・・集団との長期決戦は向いてなくないか?
普段の仕事と勝手が違うんじゃないか?
君が得意なのはあくまで「奇襲からの短期決戦」じゃないか?
それでも真正面から飛び込んできたのは、生徒に安心を与える為か?」
相澤「・・・・・・」
「・・・あア・・・それとも・・・・・・神和零无から俺を遠ざけたかったからか?」
相澤「・・・!」
・・・ちょっと待て。今コイツ・・・なんて言った?
遠ざけ“たかったから”・・・?
「ビンゴ・・・か。
かっこいいなあ。かっこいいなあ。
ところで、ヒーロー・・・本命は俺じゃない」
ズゥ・・・
相澤「!」