第3章 No.2 器物損壊・個人情報盗難・不法侵入
零无「(どうする、じゃねーよ私はドSのテメーとつり合えるドMじゃ・・・ないっつの・・・!!)
属性・・・召還・・・ッ」
「はは、またお得意の呪文?
いいぜ、やってみてよ」
零无「アネモイ・・・!!」
〝全位季東〟(エウロス)!!!!
・・・ぶわッ!!!
「・・・!!」
零无「(今の、内・・・っ。風が漏れたとこ・・・)
・・・・・・あった・・・!
属性召喚・へメラ」
〝夜境昼〟!
フッ・・・・・・パッ
零无「・・・の、ついで・・・っ。
(属性召喚・アイテル)」
〝天上明黒〟!!
ヴンっ
エウロスで人を吹き飛ばせるレベルの暴風を吹かせて、手の“敵”を吹き飛ばす。
その時に少し風が外に吹き抜けた場所を探して、見つけてへメラでワープ。そのついでにアイテルを手の“敵”にランダムに撃ち込んでやった。
・・・これでやられてくれたら大助かりなんだけど、そうはいかないだろうな。
そう思いながら、私はEXITと書いてるドアを押して地下ゾーンを後にした。
零无「っ・・・つぅ・・・」
ズキン。と痛む左脇腹を気にしながらも、私は階段を登った。
・・・痛い。
皮膚はボロボロで思いっきり擦りむいた傷をハンマーで連打されてるみたいな、ズキズキと鈍い痛みが走りっ放しだ。
マジ、勘弁してほしい・・・。
いくら“魔法”って言っても、全部を全部完璧に出来る訳じゃないってのに。
はあ・・・。
こんなポンポンと“個性”を使わされる羽目になるとは。
人命救助訓練やってた方がずっとマシだった。
零无「・・・ったたた。
取り敢えず、治してから出よ・・・。
・・・属性召喚・レイア」
〝豊万〟(キュベレー)
ぽわぽわと足元の階段からライトグリーンの光の粒子が出てきて、私の左脇腹に集まる。
それが3分くらい続いて、ひとまず傷口は塞いだ。・・・骨までは達してなかったけど、これを完治させるとなると時間がかかる。
皆の事だ、きっと戦ってる。
皆が皆バリバリ戦闘特化な“個性”じゃないだろうし、早く行かないと。
・・・よし、小休憩終わり。
私は階段の上にあるハッチ的なドアに手をかけて開いた。